キッチンで泣いた
2年目の1学期になった。自分のクラスでは、相変わらずウロウロとあっちこっちへ行ったり来たり。ハイスクールのクラスもあって、かなり疲れていた。朝は5時半に起きて、6時すぎには家を出て学校へ。帰りは家に着くのは7時すぎ。そして寝るのは10時。目がまわるくらい忙しかったけれども、かなり充実していた。
学校では、私たちのクラスを ACF(アメリカン カリナリー フェデレーション)から認定の学校にしてもらおうと言うので、連日DCやシカゴなどからインスペクターが来て、キッチンをうろうろし始めた。このインスペクターは、冷蔵庫の中にある物にちゃんとレーベルと日付がついているかとか、冷蔵庫の温度がちゃんと一定に保たれているか、そして学校のカリキュラムはちゃんとなっているか。などをチェックしに来る。キッチンの隅から隅までクラス全員で奇麗に掃除をして全部点検しなおしても、何かミスがあったら大変というので、先生達も生徒達もかなり緊張していた。2日間、キッチンの中はいつもピリピリ。特に、Sous Chefの人達は、自分のファイルを見せてと言われたり、「○○は何度に保っておかないと腐るか知っているか?」とか、「緊急用の○○シートがどこにあるかわかるか?」などと思ってもみない事を質問されるので、私はいつもキッチンの奥にかくれて目立たないようにしていた。
私は丁度そのインスペクションがある週は、ブレックファストの担当だった。カフェテリアの隅にある"スカジットカフェ"では、朝はブレックファスト。昼はランチを出していた。一年目、私がブレックファストの担当だった時は、ご飯としゃけのかす漬け、味噌汁を出したりもした。ランチでは、かつ丼と親子丼も作って「本当に売れるの〜?」なんて言われながらもすぐに完売したのだった。
狭いキッチンの奥ではブレックファストの生徒達がオーダーされた物を作っていく。狭いカウンターのもう半分では、ランチ担当の生徒達が準備をしていた。私はなるべく散らかさないようにと、整理整頓しながら料理していたのだけれども、ランチ担当のラインハルトという人がどうしても私の陣地に入ってきて散らかす。私が「ねえ、ちょっと。散らかさないでよ」と言っても「うん」と言いながらまた散らかす。そこへシェフ ドンが来て「ふみえ。そこ、ちゃんと奇麗に片付けないと」と言ってきたから「これは、私じゃなくてラインハルトだもの。彼には何度もかたすように言っているのに、片付けない」と言うと「それは、きっと言った事が通じなかったんじゃないか」と言ってきた。ここで私はプツンと切れて泣きだしてしまった。言葉が通じない。こんな事私にはわかっている。でも、このクラスに入って1年とちょっと。最初はみんな「は?」って首をかしげていたけれども、慣れればわかってくれるようになった。なのに、ここで「言葉の問題がある」なんて言われて平静を保っていられるわけがない。シクシク泣いていると、マーティーという50すぎの大きなお腹をしたおじさんが「ふみえ。ハニー(といつも人を呼ぶ)ドント クライ」と言ってホッペにチュッしてくれた。今考えるとキッチンで何をやっているのかと思うけれども。。。そのまま私はトイレに直行して顔を洗ってキッチンへ戻った。それからずっとシェフ ドンを一日無視した。シェフ ドンが「ふみえ」と呼んでも無視。クラスが終わって私はハイスクールクラスの準備をしていた。クラスが始まって少したった頃にシェフ ドンに呼ばれた。カーメンに「行ってらっしゃい」と言われて素直にシェフ ドンと話しに行った。
シェフ ドンには、「言葉の問題があるのはわかっています。でも、それをズバリ人から言われるのはツライ」と言った。するとシェフ ドンは「そんなつもりで言ったんじゃないんだ。ラインハルトは、自分の世界に入ると他の人の言っている事が聞こえないってんで、ラインハルトに問題があるっていう意味だったんだ。ふみえは、僕が驚く程良くやっているし、自分だったら出来ないよ」なんて言ってきた。本当かな?うまく言い訳してるんじゃないかな?なんて思った。しかし、実際にラインハルトには、ちょっと問題があって、軍隊からキックアウトされたらしいし、すごく年上の奥さんと結婚して、そのあと奥さんがラインハルトに暴力をふるって刑務所に入れられたという話も聞いた。シェフ ドンは私の手を握って、「ふみえをこんな気持ちにさせてしまって、ごめんね」と言ってきた。
次の日クラスでラインハルトに会うと「ふみえ、昨日はごめんね」と言ってきた。このいざこざはこれで丸く納まり、ACFからも認定される事になってみんな大喜びだった。
学校では、私たちのクラスを ACF(アメリカン カリナリー フェデレーション)から認定の学校にしてもらおうと言うので、連日DCやシカゴなどからインスペクターが来て、キッチンをうろうろし始めた。このインスペクターは、冷蔵庫の中にある物にちゃんとレーベルと日付がついているかとか、冷蔵庫の温度がちゃんと一定に保たれているか、そして学校のカリキュラムはちゃんとなっているか。などをチェックしに来る。キッチンの隅から隅までクラス全員で奇麗に掃除をして全部点検しなおしても、何かミスがあったら大変というので、先生達も生徒達もかなり緊張していた。2日間、キッチンの中はいつもピリピリ。特に、Sous Chefの人達は、自分のファイルを見せてと言われたり、「○○は何度に保っておかないと腐るか知っているか?」とか、「緊急用の○○シートがどこにあるかわかるか?」などと思ってもみない事を質問されるので、私はいつもキッチンの奥にかくれて目立たないようにしていた。
私は丁度そのインスペクションがある週は、ブレックファストの担当だった。カフェテリアの隅にある"スカジットカフェ"では、朝はブレックファスト。昼はランチを出していた。一年目、私がブレックファストの担当だった時は、ご飯としゃけのかす漬け、味噌汁を出したりもした。ランチでは、かつ丼と親子丼も作って「本当に売れるの〜?」なんて言われながらもすぐに完売したのだった。
狭いキッチンの奥ではブレックファストの生徒達がオーダーされた物を作っていく。狭いカウンターのもう半分では、ランチ担当の生徒達が準備をしていた。私はなるべく散らかさないようにと、整理整頓しながら料理していたのだけれども、ランチ担当のラインハルトという人がどうしても私の陣地に入ってきて散らかす。私が「ねえ、ちょっと。散らかさないでよ」と言っても「うん」と言いながらまた散らかす。そこへシェフ ドンが来て「ふみえ。そこ、ちゃんと奇麗に片付けないと」と言ってきたから「これは、私じゃなくてラインハルトだもの。彼には何度もかたすように言っているのに、片付けない」と言うと「それは、きっと言った事が通じなかったんじゃないか」と言ってきた。ここで私はプツンと切れて泣きだしてしまった。言葉が通じない。こんな事私にはわかっている。でも、このクラスに入って1年とちょっと。最初はみんな「は?」って首をかしげていたけれども、慣れればわかってくれるようになった。なのに、ここで「言葉の問題がある」なんて言われて平静を保っていられるわけがない。シクシク泣いていると、マーティーという50すぎの大きなお腹をしたおじさんが「ふみえ。ハニー(といつも人を呼ぶ)ドント クライ」と言ってホッペにチュッしてくれた。今考えるとキッチンで何をやっているのかと思うけれども。。。そのまま私はトイレに直行して顔を洗ってキッチンへ戻った。それからずっとシェフ ドンを一日無視した。シェフ ドンが「ふみえ」と呼んでも無視。クラスが終わって私はハイスクールクラスの準備をしていた。クラスが始まって少したった頃にシェフ ドンに呼ばれた。カーメンに「行ってらっしゃい」と言われて素直にシェフ ドンと話しに行った。
シェフ ドンには、「言葉の問題があるのはわかっています。でも、それをズバリ人から言われるのはツライ」と言った。するとシェフ ドンは「そんなつもりで言ったんじゃないんだ。ラインハルトは、自分の世界に入ると他の人の言っている事が聞こえないってんで、ラインハルトに問題があるっていう意味だったんだ。ふみえは、僕が驚く程良くやっているし、自分だったら出来ないよ」なんて言ってきた。本当かな?うまく言い訳してるんじゃないかな?なんて思った。しかし、実際にラインハルトには、ちょっと問題があって、軍隊からキックアウトされたらしいし、すごく年上の奥さんと結婚して、そのあと奥さんがラインハルトに暴力をふるって刑務所に入れられたという話も聞いた。シェフ ドンは私の手を握って、「ふみえをこんな気持ちにさせてしまって、ごめんね」と言ってきた。
次の日クラスでラインハルトに会うと「ふみえ、昨日はごめんね」と言ってきた。このいざこざはこれで丸く納まり、ACFからも認定される事になってみんな大喜びだった。
2009年1月23日|
カテゴリー:体験記