胎児安楽死
胎児の「安楽死」で論議 (読売新聞朝刊 11/24)
| オランダ 後期中絶合法化提案ー「致死的障害」要件 |
| 安 楽死合法化で世界をリードするオランダ政府は、出生前検診で致死的な障害がみつかった胎児の「安楽死」となる妊娠後期中絶合法化を国会提案した。出生前診 断の技術進歩で、日本を含む先進国で重い障害を持つ胎児へのやみ中絶が急増しており、オランダは各国に先駆けてこれに法の歯止めをかけようとするものだ。 しかし、「命の選択」法制化に、障害者団体は「どこで線引きをするのか」と激しく反発している。 |
| 今年9月の政府提案は、オランダ産科婦人科協会の勧告をもとに、①胎児が水頭症、せきつい破裂などの治療が困難か、または致死的な障害を持つ②両親、ある いは妊婦の自発的意思がある③医師が同僚と相談の上で合意ーなどの条件を満たした場合、妊娠24週以降の後期中絶を容認するのが骨子。 |
| 現行刑法では後期中絶は堕胎罪にあたるが、立法化されれば、中絶医は書類送検後、必要な条件を満たしていれば不起訴となる。現在、司法省が法案を策定中で、年明けにも発表される。 |
| 政府提案では「致死的な障害とは何か」が最大の問題点。同協会は、ダウン症、HIV感染、筋ジストロフィーなど、新生児が一定期間以上、生存可能な場合は 対象外との見解だが、オランダ・ダウン症患者基金は「ほかの先天的な障害を持つ胎児もなし崩し的に中絶される」と警戒する。 |
| しかし、「産む立場」の女性には肯定的意見も強く、重度障害児の長男を持つコビ・ショーンアウアさんは「障害を持つ胎児を中絶し、一生罪の意識に苦しむ女 性は多い。女性に選択を許す法があれば心理的に救われる」と話す。政府調査によると、後期中絶は年間150件行われ、多くは自然死として処理されている。 |
| 一方、ボルスト保健相は今年夏、不治、致死的な障害を持つ新生児の「安楽死」届け出制を検討中だと明らかにし、政府は重い障害を持つ新生児の「安楽死」容認に向けても動き始めた。 |
| オランダ小児科医(新生児)協会が94年、こうした重度障害新生児への安楽死を認める条件を提案しているほか、95年にはせきつい破裂の新生児を投薬で安楽死させた医師に無罪判決が下るなど、医療、司法界がすでに青信号を出しているためだ |
| オランダでは、今年、現在の中道左派内閣の下で、後期中絶合法化提案のほかにも、安楽死合法化が国会提案されている。国民の90%が法制化を支持する大人 の安楽死では、法案の国会通過は確実な情勢だが、本人の意思確認が不可能な胎児、新生児への「安楽死」には反対が強く、成立は微妙。コック首相は「生命倫 理の問題は国民全体の論議が必要」とし、長期間をかけて論議する構えだ。 |
| 日本の場合ー母体保護法は、中絶容認条件を①身体的・経済的理由で母体の健康を害する恐れがある②暴行による妊娠ーに限定する。実際には重い障害を持つ胎 児の中絶は広く行われており、日本母性保護産婦人科医会は、致死的な病気や障害を持つ場合に中絶を認める「胎児条項」を法に盛り込むよう求めているが、 「障害者の差別につながる」などの理由で障害者団体などが強く反対、棚上げにされている。 |
2009年1月11日|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:ぴかり!最新TOPICS
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