低用量ピル解禁と思春期の性
低用量ピル解禁と思春期の性 (読売新聞朝刊 10/30)
| 女性の自己決定 大切さ訴え |
| 低用量ピル(経口避妊薬)の販売が解禁されて約2ヶ月。思春期の女子にピルや避妊をどう教えるか、どんな時に処方すべきか、などの問題が浮上してきた。親 や教育、医療機関などに戸惑いが広がる一方で、前向きな取り組みもある。ピル解禁を正しい性知識普及の契機にという声も強い。 |
| 「見てください。これが低用量ピルです。こんな小さな錠剤なんですよ。」 京都の高校。同校では、2年生の選択科目の保育の時間にピルをテーマとして取り 上げた。これまで、排卵や月経、妊娠、出産など、体のしくみを学んできた。その一環として、女性自身の体の自己管理について考えてもらうのが目的だ。 |
| 自分がピルを飲んでいると仮定して、パートナーと避妊について語れるか、を問い掛けた。「将来的にピルを飲む、飲まないは、あなたたち自身が決めること。 でも、彼とちきんとそのことを話し合える関係を持てるかどうかが大切。女性の体を大切に考えない人とのセックスは考え直したほうがいい」 生徒たちが真剣 に受け止めたことは授業の後の感想文に表されている。「男性にもピルのことを詳しく理解してほしい」「ピルを使っている人は、よくセックスすると人という 差別をなくして、もっと使いやすい世の中にしてほしい」「今は飲みたいと思わないけれど。大人になったらそう思うのかも」など。 |
| 10代の性行動はかなり進んでいる。東京都幼・小・中・高・心障性教育研究会の今年の調査によると、高校3年の性交体験率は男子で37.8%、女子で 39%に達した。また昨年の20歳未満の人工妊娠中絶率は3万984件と、総数の11%を占め、1980年の6.4%から大幅に増えた。学校でピルについ て積極的に論議するのは、こうした現実に目を閉ざすまいとの姿勢の表れと言える。 |
| 大阪市城東区に女性の体と心の相談事業などを行う「ウィメンズセンター大阪」という機関がある。スタッフの高見陽子さんは、ピルの解禁以降、学校現場や教 師向けに性教育の話しをする機会が急に多くなり、複雑な思いだ。「冷静に考えれば、ピルという避妊の選択肢が増えただけで、本来の性教育の根本は変わらな いはず」だからだ。ピル解禁への関心の背後に高見さんは「子供がセックスするかもしれない、という強い不安や戸惑い」を感じるという。高見さんはこう指摘 する。「性のことや避妊について子供が考えるのは、自らが『生き方を考える入り口』に来たことを意味している。大人には、それを成長のあかしとして喜ぶ視 点が必要なのではないでしょうか」 |
| 女性が自分の体について自己決定する。このことの大切さを、ともに思春期の子供たちに伝えようと、高見さんは呼びかけている。 |
| *低用量ピル* |
| 卵巣ホルモンを化学的に合成した薬。妊娠と似た体の状態をつくり出し、排卵を抑える作用がある。ホルモンの量によって、低・中・高容量に分かれていて、月 経困難症などの治療にも使われている。購入には医師の処方箋が必要。①排卵の有無②妊娠していないか③副作用を引き起こす健康状態でないかなどを診察で確 認する。必要に応じて身長・体重・血圧の測定・血液・尿検査・子宮や卵巣の状態をチェックするための婦人科検診、性感染症の検査などを受ける。一般的なの は、月経が始まったその日から、1日1錠を21日間飲み、その後7日間休むという28日間1周期。飲み始めには胸のむかつきやむくみなどの副作用が起きる 場合がある。肝障害、脳血管障害などの特定の疾患を持つ人は服用を避けたほうがいいとされている。 |
2009年1月11日|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:ぴかり!最新TOPICS
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